IMAC(アイマック)― 全身の可動域から体の状態を読み解く評価法
IMAC(Integrative Movement Assessment & Conditioning)は、佐藤博紀氏(MS, ATC, CR)が開発した、全身の可動域を通して筋骨格系・経絡・内臓の状態を統合的に評価するメソッドです。
痛いところだけを見ていませんか?
腰が痛いとき、腰を揉む。肩がこったとき、肩を押す。
多くの方がそうされていると思います。その場は楽になる。でも、しばらくするとまた同じところが痛くなる。そんな経験はありませんか?
それは、痛みの「原因」がその場所にあるとは限らないからです。
急性の外傷を除いて、多くの痛みや不調は、体全体のバランスが崩れることで「結果として」ある場所に出ています。腰が痛いからといって、腰だけに問題があるわけではない。肩がこるのは、肩だけの話ではない。
スタジオスミカのボディワークセッションで取り入れているIMACは、この「全体を見る」ための評価法です。

可動域を通して、体全体を見る
IMACでは、全身の可動域(関節がどのくらい動くか)を調べることで、体の状態を読み解いていきます。
「可動域」と聞くと、筋肉や関節の柔らかさを調べるもの、というイメージがあるかもしれません。IMACの可動域評価は、少し違います。
IMACでは、可動域を東洋医学の「経絡(けいらく)」という考え方と結びつけて評価します。経絡とは、体の中を巡るエネルギーの流れを表す地図のようなもの。それぞれの経絡は特定の筋肉群や内臓とつながっています。
この仕組みを使うことで、可動域を調べるだけで、筋肉や骨格の状態だけでなく、内臓や神経系の状態まで含めた「体全体の状態」が見えてきます。
可動域の制限が多ければ、体全体の状態がそれだけ崩れているということ。制限の傾向を見れば、どこに不調が出ているのかがわかってくる。可動域は、体の「いま」を映し出す鏡のようなものです。

(EROM2024オンラインより引用)
体に「部分」はない
IMACの根底にある考え方は、「体に部分はない」ということです。
呼吸ひとつを例にとっても、それは肺だけの話ではありません。横隔膜が動くことで内臓も動き、体液の循環が促され、自律神経のバランスにも影響を与えています。呼吸、自律神経、免疫、内分泌。これらはすべて互いにつながり、影響し合っています。
だから、肩こりを肩の問題として見るのではなく、体全体のつながりの中で「なぜそこに制限が出ているのか」を考えていく。
たとえば、運転時間が長い方は股関節まわりの経絡に制限が出やすかったり、毎日お酒を飲む方は肝臓に関わる経絡に影響が出ていたり。日常の体の使い方や生活習慣が、体の特定のパターンとして現れてきます。
IMACの評価では、こうした体全体のつながりを可動域という「窓」から見ていきます。

「健康」ではなく、「健全に向かっているか」
もうひとつ、IMACで大切にしている考え方があります。
それは、「健康か、病気か」という二択で体を見ないということ。
体の状態は、ある一つの「型」に当てはまるものではありません。大切なのは、体全体が「健全な方向に向かっているかどうか」という傾向です。
制限が少なくなるほど、体の適応力が高まり、健全に近づいていく。最終的な型ではなく、その過程を大切にしています。
イメージとしては、コップの中の水と氷。体全体が水のように均一で、呼吸とともにひとつのリズムで動いている状態が理想です。氷のように硬くなっている部分があると、全体の流れが妨げられる。その「氷」を見つけて、少しずつ溶かしていくのが、IMACを使ったアプローチです。
制限がひとつ取れると、それが全身に波及して、他の部分まで変わっていくことがあります。一番大きな制限を見つけてアプローチすることで、体全体が変わっていく。それがIMACの考え方です。
スミカのセッションでの活かし方
スタジオスミカの個人セッションでは、IMACの可動域評価をセッションの土台にしています。
まず対話で日常の状態をお聞きし、歩行や姿勢の観察をした後、IMACの可動域評価で全身の状態を把握します。そこから優先順位を立て、手技で体を整え、ピラティスで新しい体の使い方を定着させていく。
「なぜそこが痛いのか」「なぜ繰り返すのか」を、体全体のつながりの中から見つけていくこと。それが、スミカのセッションの中でIMACが担っている役割です。
体の使い方が変われば、体は変わります。その変化を一緒に見つけていきましょう。
その他、IMACから学び取り入れているワーク
・神経リンパ反射(チャップマン反射)




