ピラティスやヨガをしていると、胸式呼吸や腹式呼吸について一度は耳にすることがあると思います。
どちらが正しいのかという論争もよく見かけますが、正直なところ、どちらでも構わないと僕は考えています。重要なのは、そもそも呼吸とは何か?という根本的な部分を理解し、呼吸のメカニズムを感じることです。
ここでは生理学的な機能については考えず、機能的な呼吸のイメージを持ってみましょう。
呼吸のキーポイントは肺と横隔膜、そして方向です。吸った空気は肺を伝って肋骨を外へ広げていきます。背中、肋骨、胸の前側といった三方向に広がりを感じます。この広がりに伴い、横隔膜は下方へ動きます。
息を吐くと、広がった肋骨は元に戻り、横隔膜も元の位置に戻ります。これがシンプルな呼吸のメカニズムです。
胸式呼吸をするから交感神経が高まるわけではなく、腹式呼吸をするから副交感神経が高まってリラックスできるわけでもありません。吸う、吐くという行為がそれぞれ自律神経に関わっています。
そもそも呼吸の目的とは何でしょうか?
僕自身はリラックスするために呼吸をしていると考えています。(ここでも生理学の観点は省きます)
ピラティスやヨガのために呼吸があるのではなく、生命が生きていくために呼吸が存在します。その意味を考えると、自然なリズムで深く穏やかな呼吸が運動中に自然と生まれ、健全な呼吸を感じることができるでしょう。
呼吸によって動作をコントロールしたり、強度を調整することも可能です。しかし、その行為には意図や目的があり、本来の呼吸の意味を見失ってはいけません。
どのように呼吸を感じれば肺や横隔膜が適切に動くのか、その機能を理解することが重要です。