最近、「インストラクター」という職業を耳にする機会が増えました。特にピラティスやヨガのスタジオが増加したことが大きな要因でしょう。
インストラクターという職業は、実際のところ名乗れば誰でもなれるものです。資格を持っていなくても名乗ることができるため、一般の方から見ると、名乗るだけで誰でもインストラクターに見えてしまう現状があります。服装をそれっぽく整えたり、SNSに編集された動画をアップしたりするだけで、インストラクターらしく見えてしまうのです。
僕自身、インストラクターはとても素敵な職業だと感じています。誰かの健康をサポートし、その方の体が健全な方向へ向かうお手伝いができる仕事です。これは一般的な仕事ではないため、インストラクターとして仕事に携わる際には、自覚を持って取り組んでほしいと心から願っています。資格を取得してすぐにスタジオを開きレッスンを始める方が多いですが、スタジオを開く前の修行期間を大切にしてほしいですし、スタジオを開いた後も学びの時間を優先してほしいと思っています。僕が代表を務めるリードピラティス協会でも、常にこのことを伝えています。
残念なことに、インストラクターになってピラティスが楽しくなくなったと言われる方もいます。インストラクターになる前が一番楽しかったと感じる方もおり、それは本当に悲しいことです。
インストラクターになると、学ぶ機会がたくさんあります。お客様から、各スタジオの先生やセミナー、書籍から、そして僕自身は子供からも多くの学びを得ています。この職業に携わっていなければ感じられなかった感覚や知識を味わうことができるのです。
こんなに楽しいことがたくさん詰まった職業は少ないのではないでしょうか。それだけ魅力が豊富です。体の探求は一生続くものであり、僕が死ぬまでにどれだけの知識を得られるのかを考えるとワクワクします。その知識が自分自身を元気にし、他の方にも元気を伝え、そして周りに広がっていくのなら、本当に幸せなことです。
インストラクターは人気がある、コミュニケーション能力が高い、陽気な人、かっこいい、綺麗な人、そういったことではなく、「学ぶことを楽しめる」人が向いている職業なのかもしれません。