僕は学生の頃、陸上競技に励んでいました。その頃は目標を持ち、その達成に向けて日々努力をすることが当たり前でした。例えば「スクワットで100キロを上げる」といった小さな目標でも、それを達成することに喜びを感じていました。
今は「何をもって達成とするのか」がよく分からなくなっています。決してネガティブな意味ではありません。
スタジオスミカで仕事をしていても、「いくら稼ごう」「店舗を増やそう」といったメラメラとした目標は持っていません。もちろん家族と楽しく暮らすためのお金は必要です。
お客さんが元気になっていく過程を見たり、良くなった姿を見たりすることは、本当に嬉しいことです。でもそこに「達成感」があるとは感じません。
それは客観的に相手の体を見ているからでもありますし、「僕の体」ではなく「お客さんの体」だからでもあります。僕はただ、元気になるようにサポートをしているだけ。でもそれは間違いなく幸せなことです。なぜなら「元気な人を増やす」ことこそが、僕の目的であり、大切にしていることだからです。
不安を感じた時に気づいたこと
実は今年に入ってから、スタジオのお客さんは減っています。新規のお客さんの予約も、以前より少なくなっている状況が続いています。そんな時には、不安を感じたり、「これから続けていけるのか」と心が折れそうになることもありました。
その気持ちをどう立て直すのか、自問自答を繰り返す中で気づいたのは、「日常の中の小さな楽しいことや小さな幸せを見つけること」でした。
それが僕にとって心を満たすものになっていて、達成感や「やり切ること」ではないのだと思うようになりました。
これは人それぞれだと思います。僕にとっては「家族といられる時間」や「セッションやレッスンで感じられる楽しさ・幸せ」を大切にしています。
その意思があるだけで、日常もセッションやレッスンの風景も、見え方や感じ方が変わっていく。今はそんな過程の中にいるような気がしています。