私はこれまで10年以上にわたり「ピラティス」を提供してきました。
しかし、なぜピラティスだけでなく「施術」を掛け合わせるようになったのか。それには、実際に多くの方の体と向き合ってきた中で感じた、ある確信があります。
鍼灸や整体、マッサージなど、体を整える方法はたくさんあります。一方で「運動」まで含めて行っている場所はまだ少なく、ピラティススタジオで「施術」と「評価」を本格的に取り入れているところも多くはありません。
体を動かす前に本来必要なのは、その人の心と体が今どんな状態にあるのか、姿勢がなぜ歪んでいるのか、痛みや不調の原因はどこにあるのか。そうしたことをしっかりと見極め、理解することです。
けれども、カウンセリングや大まかな評価だけでは、それを見つけるには不十分です。
もちろん、運動だけでも体は変わります。ですが、動きが制限されている場所や、緊張してうまく動かせない場所があるとき、筋膜を調整し、神経や内臓の働きを整えることで、初めて本来の動きが可能になることもあります。
この状態になると「動く」ということが最大限に活きてきます。体が自然に反応し、姿勢や動きに変化が現れていきます。
良い姿勢をつくろうとしなくても、正しく歩こうと意識しなくても、体が勝手に“いい感じ”になってくれるのです。
私はこの状態を「ニュートラル」と呼んでいます。
「姿勢を正そうとしなくても、自然に良い姿勢になっている」
「呼吸が浅くなっても、自分で気づけるようになる」
「家事や仕事をしていても、腰の痛みを感じずラクになっている」
心と体がニュートラルになると、痛みや不調も自然と変化していきます。その変化を確かなものにするには、施術で土台を整え、運動で定着させること。
この両面のアプローチこそが、これまでなかなか解決できなかったお悩みに届く方法だと、私は信じています。