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自律神経と横隔膜|呼吸・姿勢・心をつなぐ見えない橋

「なんか胸の前側がモヤモヤする」「呼吸が苦しい感じがする」

「浅い感じがする」「なんとなく落ち着かない」

そんな感覚を覚えたことはありませんか?特に、不安を感じているときや緊張しているときに、こうした状態になりやすいかもしれません。その背景には、呼吸の要である 横隔膜という筋肉の働き が関わっている可能性があります。

横隔膜は胸とお腹の間にある大きなドーム状の筋肉です。
呼吸をするときに上下に動き、肺に空気を送り込む、そう聞くとただの“呼吸の筋肉”のように思えるかもしれません。けれど実際には、自律神経や内臓、姿勢、そして感情にまで深くつながっていて、私たちの心身を橋渡ししている存在なのです。


横隔膜と自律神経のつながり

横隔膜のすぐ近くには「迷走神経」という副交感神経が走っています。横隔膜がしっかり動けば迷走神経が刺激され、体は自然と落ち着きを取り戻します。逆に横隔膜の動きが硬く浅くなると、胸の上だけで呼吸する胸式呼吸に偏り、交感神経が優位になりやすいのです。

→ 日常の場面で考えてみると
交感神経が優位の時、

  • 仕事や人前で緊張しているとき、呼吸は浅く速くなる。
  • ベッドに入っても頭が冴えて眠れないとき、胸の上だけが動いている。

一方で、お風呂に入って「はぁ〜」と息が抜ける瞬間、横隔膜はしっかり下がり、副交感神経が優位になっている事が多いです。

同じ「呼吸」でも、横隔膜の動き方次第で自律神経の働きはまったく変わるのです。


横隔膜と姿勢・内臓の関係

姿勢も横隔膜に大きく影響します。背中が丸まって猫背になると、横隔膜は下がりにくくなります。逆に腰を反らせすぎても動きが硬くなり、十分に働けません。

横隔膜はそのすぐ下にある肝臓や胃、腸といった臓器とも関わっています。深い呼吸で横隔膜が上下に動くたびに、これらの内臓がマッサージされ、血流や消化が助けられます。

→ だからこそ、

  • 食後に少し散歩すると消化が整いやすい。
  • 姿勢が崩れていると「胃が重い」「便秘気味」などの不調が出やすい。

これらの背景には、横隔膜の働きと内臓の関係があるのです。


横隔膜と感情のつながり

横隔膜は心の状態にも敏感に反応します。緊張や不安を感じると、呼吸が浅く胸の上だけで繰り返されます。これは交感神経が優位になり、体が「戦うか逃げるか」と準備している状態です。

安心しているときやリラックスしているときは、呼吸は自然と深くなり、横隔膜はしっかり下がってお腹や腰の方まで空気が届きます。副交感神経が働き、体が落ち着いている状態です。

→ 具体的な場面を挙げると

  • 大事なプレゼン前で緊張しているとき(呼吸は浅く速い)。
  • お風呂に入ってホッとしたとき(呼吸は深くゆったり)。
  • 安心できる人と話しているとき(呼吸が自然に整う)。

感情が呼吸を変えるのか、呼吸が感情を変えるのか、その両方が影響し合っているのです。


日常でできるチェック法と練習

横隔膜の働きを日常で意識する方法はシンプルです。

まずは鏡の前で呼吸を観察してみましょう。

  • 肩や胸の上だけが動いていないか?
  • それとも肋骨の下の方まで広がっているか?

次に、仰向けに寝て両手をお腹に置いてみます。

吸ったときに手が持ち上がるように感じられたら、横隔膜がしっかり働いている証拠。吐くときは「はぁ〜」と力を抜くように、ゆっくり長く息を吐いてみてください。

こうした小さな習慣を取り入れるだけでも、自律神経の切り替えはスムーズになっていきます。


まとめ

横隔膜は、呼吸のための筋肉であると同時に、

  • 自律神経を調整するスイッチ
  • 姿勢や内臓の働きを支える柱
  • 感情と体をつなぐバロメーター

として働いています。

深く穏やかな呼吸を意識することは、体を整えるだけでなく、心の落ち着きにもつながります。日常の中で「横隔膜が動いているかどうか」を少し意識してみるだけでも、自律神経のバランスは変わっていくはずです。


次回予告

次回は「自律神経と姿勢」について。横隔膜の動きとも深く関わる姿勢が、自律神経にどんな影響を与えているのかを解説していきます。

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