美しさ、綺麗、良い姿勢。
外観がどうあるべきかを重視して、ピラティスやトレーニングを受けられている方は多いと思います。では、真の美しさとは何をもって美しいといえるのでしょうか。
僕自身、この問いをよく考えることがあります。スタジオスミカに来られるお客様の中にも「綺麗でありたい」と思う方は少なくありません。だからこそ、なおさら考えることがあります。
個人的には、自分を外観だけでどう捉えるかという視点をあまり持ったことがありません。外観は年齢とともに必ず変化していくものだからです。そして、心や感情の状態によっても大きく影響を受けます。不安があれば表情や姿勢にそれが映し出され、エネルギーを失った印象になるかもしれません。怒りを抱えていれば険しい顔になり、誰かを妬んでいれば、その思いや言葉、行動にも影響していきます。逆に、心が満たされているときには、その穏やかさや幸せが自然と全身にあらわれるものです。
そう考えると、美しさはやはり心から生まれるものではないかと思うのです。
ピラティスの世界では「内側から変化」という言葉がよく使われます。ただ、その“内側”が何を意味するのかはスタジオによって異なるように思います。内臓を指すのか、心なのか、呼吸なのか、あるいは食べ物なのか。
外観からでも、内観からでもアプローチはできますが、真の美しさはその“間”にあると僕は考えています。間とは、スペース、ゆとり、余白。そこから始まるのではないでしょうか。そしてそのためには、体そのものが伸びて、広がりを感じられることが大切です。
体が広がれば広がるほど、心と体は軽やかになる。僕はそう考えています。軽やかさはしなやかさにもつながり、またスペースを生み出します。
真の美しさは強さではなく、柔らかく存在していること。そんなふうに僕は思っています。
良い姿勢とは、単に形を整えることではなく、内側にゆとりを感じられる状態です。呼吸が広がり、体にスペースが生まれ、全体が柔らかく穏やかな雰囲気をまとっている。そこには、心の落ち着きや余白までもが表れているように思います。