産後ケアというと「骨盤を締める」という言葉をよく耳にします。
骨盤底筋のエクササイズや、器具を使って骨盤を固定する方法なども広く知られています。
ですが、骨盤底筋はただ「締めればよい」というものではありません。
今日は、産後ケアにおける骨盤底筋の本当の役割と、大切にしてほしい視点についてお話しします。
骨盤底筋の役割
骨盤底筋は、骨盤の底にある複数の筋肉の総称で、内臓を支える働きをしています。
さらに横隔膜や内転筋と連動し、呼吸や姿勢の安定にも深く関わっています。
- 呼吸に合わせて緩み、締まる
- 内臓の位置を支える
- 排泄のコントロールに関与する
- 姿勢を安定させる
こうした働きをしているため、単に「締める」だけでは機能が偏ってしまいます。
“締める”の誤解
産後の骨盤ケアでは、お尻や膣に強く力を入れて締める方法や、器具で骨盤を「ガシャッ」と固定する方法もあります。しかし、力いっぱい締めてしまうと、骨盤底筋に必要な柔らかさや潤いが失われることがあります。
筋肉は、締まると同時に「緩む」ことができて初めて健全に働きます。どちらか一方に偏ると、呼吸の広がりや内臓の動きにも影響が出てしまうのです。
大切なのは“適度な締まり”と“しなやかさ”
骨盤底筋の本来の力を発揮するためには、呼吸と連動して自然に働くことが大切です。呼吸を吸って横隔膜が下がれば骨盤底筋が緩み、吐いて横隔膜が上がれば骨盤底筋が締まる。このリズムを取り戻すことが、産後の体にとって必要な回復です。
骨盤底筋は“締める”だけではなく、“緩む”ことも含めて機能します。
呼吸や体のつながりを意識しながら、適度な締まりとしなやかさを取り戻すことが、産後ケアにおいて本当に大切なことです。
産後1年以内の方向けセッションについて
スタジオスミカでは、産後1年以内の方を対象に、産後ケアセッション(単発利用) をご用意しています。
- 時間:90分
- 料金:8,000円(税込)
- 内容:呼吸の再教育、骨盤と骨盤底筋のケア、姿勢サポート、ピラティスを通じた無理のない運動
- 頻度:月1〜2回を目安に、その方の体調や生活リズムに合わせてサポートします
産後の体に無理をさせず、呼吸や骨盤底筋の自然な働きを取り戻していきましょう。